耳の内視鏡手術|門戸厄神駅から徒歩1分|耳鼻咽喉科吉田クリニック

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耳の内視鏡手術

耳の内視鏡手術|門戸厄神駅から徒歩1分|耳鼻咽喉科吉田クリニック

耳の内視鏡手術とは?

耳鏡で耳の検査を受ける女性

近年では内視鏡技術の発展により、より低侵襲で視野が広く確保できる内視鏡手術が注目されています。耳の内視鏡手術(経外耳道的内視鏡下耳科手術:Trans Endoscopic Ear Surgery, TEES)とは、内視鏡を用いて行う耳の手術でほとんどすべての操作を外耳道から行います。

耳の内視鏡手術

従来から行っている中耳手術では、耳の後ろを約68 cm切開し、耳介・外耳道・鼓膜を順に持ち上げて、顕微鏡下に手術を行いますが、TEESでは外耳道の中に約1 cmの切開と、側頭筋膜や耳介軟骨を採取する場合には、耳の後ろに約2 cmの切開で手術を行います。TEESは、顕微鏡下手術よりも切開創が小さく、低侵襲な手術方法と考えます。当科で行うTEESは、早期の社会復帰を目指しており、術前の剃(てい)毛(もう)は原則不要で、手術翌日から洗髪ができます。
当院におけるTEESの適応は、鼓室に限局した病変としており、進行例では従来から行っている顕微鏡下手術を行っています。

耳の内視鏡手術の特徴

  1. 低侵襲(体への負担が少ない)

    耳介の後ろを切開が最小限で、ほとんどの操作を耳の穴からアプローチできるため、術後の痛みや腫れが少なく、日帰り手術が可能です。また、術後の回復が早いのが特徴です。

  2. 広い視野を確保
    顕微鏡手術では直線的な視野しか得られませんが、内視鏡では狭い空間でも広範囲を観察でき、より精密な手術が可能になります。
  3. 美容面でのメリット
    耳の後ろを切開しないため、傷跡が残らず、見た目に影響が出にくいのが利点です。

耳の内視鏡手術の注意点

  1. 技術的な熟練が必要

    経外耳道的内視鏡下耳科手術は、片手で内視鏡を持ちながらもう一方の手で手術を行うため、専門的な経験と技術が求められます。

  2. すべての疾患に適応できるわけではない
    病変が広範囲に及ぶ場合は、従来の顕微鏡手術の方が適していることもあります。適応については、医師とよく相談することが重要です。
  3. 術後の定期的なフォローが必要
    術前に耳の所見や画像検査などで病気の進行を評価しますが、特に中耳真珠腫の場合は、画像のみで炎症と真珠腫を確実に評価することが困難で、手術中に病変の広範囲な進行が明らかになることがあります。他にも、片手操作では対応できない出血や硬い病変が認められることがあります。こうした場合には、術中に内視鏡手術から従来から行われている耳の後ろを切開する顕微鏡手術に切り替えます。

当院で行っている耳の内視鏡手術の代表的な術式

鼓室形成術

鼓室形成術とは、中耳の病変を取り除き、音の伝わりを再建(伝音再建)する手術です。中耳の病変を取り除くときに、耳小骨を一度外すことがあります。伝音再建では、外した耳小骨を削りなおして使用することが多いですが、耳小骨の破壊がすすんでいる場合には、伝音再建の材料として使えないため、軟骨や人工骨を使用して音が伝わる仕組みを形成します。鼓膜からの音の振動を伝えるために作る支柱を「コルメラ(柱)」と呼びます。鼓膜の病変を取り除いた場合には、軟骨や筋膜を移植します。コルメラや移植した組織が安定するように、血液製剤の一種であるフィブリン糊で固定します。耳の中にはしばらくゼラチンスポンジを充満させて創部を保護します。

主な適応疾患:中耳真珠腫、慢性中耳炎、耳小骨離断症、耳小骨奇形など

鼓膜形成術

鼓膜の穴を筋肉の膜や結合織を用いて閉鎖する手術のことを言います。手術当日に麻酔のガーゼを挿入します。鼓膜の穿孔縁を取り除きます(新鮮化)。耳の後ろを約2cm切開し、筋膜や皮下の結合織を採取します。採取した組織を鼓膜穿孔縁に移植し、フィブリン糊で固定します。耳の中にはゼラチンスポンジを充満させて創部を保護します。耳の後ろの切開した傷は、吸収糸で縫合しますので術後に抜糸の必要はありません。

主な適応疾患:慢性中耳炎

鼓膜再生術

再生治療のひとつになります。炎症した鼓膜を切除し、リティンパ®を染み込またゼラチンスポンジを中耳に充満させ、血液製剤の一種であるフィブリン糊で固定します。4週間ごとに計4回まで実施することがあります。

鼓膜再生術

主な適応疾患:慢性中耳炎

当院では、前述した術式以外にも様々な疾患に対して耳の内視鏡手術を行っています。また、進行した病変には、耳後部切開による顕微鏡手術も対応可能です。 ご希望の方は提携病院での入院治療をご案内します。詳しくは担当医にご相談ください。

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